実はスゴイ!温泉が湧く街・大田区の黒湯特集

黒湯温泉とは

東京の大田区周辺には、湯船が真っ黒に染まる独特の温泉があります。これが「黒湯(くろゆ)」と呼ばれる天然温泉です。黒湯の最大の特徴はお湯の色で、手を入れると数センチで見えなくなるほどの濃い黒褐色をしています。その秘密は、太古の海藻や木の葉など古代の植物由来の有機物(フミン酸)が地下水に溶け込んでいるためです。長い年月をかけて海底に堆積・分解した植物成分が湯に溶け出し、まるで紅茶のような黒いお湯になるのです。火山の熱で湧く温泉ではなく、古い海水が地中に閉じ込められてできた「化石水」タイプで、塩分や重曹成分(炭酸水素塩)を多く含むため体がよく温まります。黒湯の源泉温度は多くが25℃未満の冷鉱泉ですが、各施設では加温して提供されています。塩分やメタケイ酸などのミネラルを含むアルカリ性の黒湯は肌あたりがやわらかく、湯上がりもポカポカと湯冷めしにくくお肌がしっとりすべすべになると評判の「美人の湯」です。嫌な硫黄臭さもなく、ほんのりモール(腐植土)臭が感じられる程度で入りやすいのも特徴です。神経痛や筋肉痛、冷え性などへの効能も期待できると言われ、毎日入っても疲れにくい優しいお湯として親しまれています。

なぜ大田区に黒湯が多いのか?

黒湯温泉は全国的にも珍しい存在ですが、東京都大田区はこの黒湯が湧く温泉銭湯が特に多いエリアとして知られています。実は大田区など東京湾沿岸部の地下深くには、大昔の海水が閉じ込められた地層があります。地殻変動により約50万年前の古代の海水が砂層の隙間に封じ込められ、それが現在よみがえったものが黒湯の源泉なのです。この地層から湧き出す黒湯は「化石海水型」の非火山性温泉で、塩化物や重曹成分を豊富に含むため身体の芯まで温めてくれます。大田区を含む東京湾岸では比較的浅い掘削(数百メートル程度)でこの黒湯が得られるため、昭和初期から多くの銭湯で利用されてきました。その結果、大田区は都内で最も銭湯の数が多い区であり、しかも黒湯温泉を楽しめる銭湯が数多く存在する温泉スポットになっています。黒湯は大田区南部の臨海部に広く分布し、古くから地域の人々の日常の湯として愛用されてきました。黒湯が湧く銭湯は品川区や横浜市南部など周辺地域にも点在しますが、大田区は特に密集地帯で、「都内随一の温泉天国」として注目されています。

地元で親しまれる黒湯温泉スポットいろいろ

大田区内には地元の人々に愛され、観光で訪れる人にも人気の黒湯温泉スポットが多数あります。昭和の風情を残す老舗銭湯から設備充実のスーパー銭湯まで、黒湯を満喫できる施設の一部をご紹介します。

蒲田温泉 – JR蒲田駅から徒歩圏にある昭和12年創業の老舗温泉銭湯です。源泉を一切うすめずに提供している濃厚な黒湯が自慢で、昭和の開業以来途切れない豊富な湧出量を誇ります。浴槽は熱い湯とぬるめの湯に分かれており、高温浴槽は50℃近い日もある都内屈指の熱さでテレビでも紹介されるほど。もう一方のぬるめ黒湯はゆっくり浸かれて、美肌効果を狙う女性にも好評です。下町情緒あふれる雰囲気とアットホームなサービスで居心地が良く、入浴後は名物の温泉釜飯や手作りアイスキャンディーが楽しめます。料金も大人数百円程度と手頃で、地元常連から遠方の20代、海外からの観光客まで訪れる人気スポットとなっています。

改正湯 – 蒲田エリアにある創業90年以上の銭湯で、2019年にリニューアルされモダンに生まれ変わりました。ビルの中にあるとは思えない開放的で清潔な浴場で、もちろん黒湯を堪能できます。特に有名なのが浴室の壁に大きな水槽がはめ込まれており、中で色とりどりの鯉や金魚が泳いでいること。湯に浸かりながら優雅に泳ぐ魚を眺められるユニークさが評判で、「お魚がいるお風呂屋さん」として親しまれています。黒湯以外にもジェット風呂やサウナなど設備も整っており、仕事帰りのリラックスや週末の癒しスポットとして地元客に人気です。

桜館 – 池上駅近く、名前の通り立派な桜の木が迎えてくれる風情ある天然温泉銭湯です。昭和レトロな館内で瓶のコーヒー牛乳を飲みつつ寛げるとあってファンが多くいます。ここの魅力はなんといっても黒湯の露天風呂があること。屋上に上がると外気にあたりながら黒湯に浸かれる贅沢な浴槽があり、晴れた日には青空の下でぽかぽかの黒湯にゆったり浸かるという極上の体験ができます。内湯とあわせて男女日替わりで趣の異なるお風呂を楽しめる工夫も凝らされており、近隣の池上本門寺参拝とセットで訪れる観光客にも好評です。

これら以外にも、大田区内には「ゆ〜シティー蒲田」や「はすぬま温泉」「久が原湯」など黒湯が楽しめる銭湯・温泉施設が点在しています。それぞれの施設ごとにお湯の濃さや温度、サービスに個性があり、銭湯巡りをしながら違いを比べてみるのも面白いでしょう。

観光にも日常利用にも嬉しい癒しの空間

黒湯温泉は地元の人にとっては日々の疲れを癒やす憩いの場であり、観光客にとっても東京で気軽に天然温泉を体験できる貴重なスポットです。都心にありながら多くの施設が駅から徒歩圏内とアクセスが良く、手ぶらで訪れてもタオルなどを貸してくれる気軽さも魅力です。黒湯にゆっくり浸かれば血行が促進され体が芯から温まり、新陳代謝アップや疲労回復・ストレス緩和にも効果的と言われています。実際、黒湯のお風呂上がりは体がぽかぽかと長く温まり、肌もしっとり潤うのを感じるでしょう。こうした癒し効果と気軽さから、黒湯温泉は日常的な健康増進の場としても、旅先でほっと一息つけるリラックス空間としても最適です。大田区の黒湯温泉で、古代の恵みが詰まった黒いお湯に身を沈めれば、心も身体もほぐれて明日への活力が湧いてくること間違いありません。ぜひ一度、大田区ならではの黒湯温泉で極上の癒しを体験してみてください。

他の特集

  1. 蒲田名物”羽根つき餃子”の歴史

  2. 池上本門寺の歴史と門前文化

  1. 8部 魚まる

  2. ピッツェリア ダ グランツァ 洗足池店

  3. Cheval Cafe

  4. 牛吟

  5. タコとハイボール 蒲田西口店

  1. ちょいおでん 大森店

  2. ピッツェリア ダ グランツァ 洗足池店

  3. 大衆酒場55 蒲田本店

  4. Bar 若林

駅名で探す